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次世代シークエンサーデータ解析ツール

きっかけ

私の研究室の興味の中心は、下水処理場で働いている微生物です。顕微鏡で見ただけでは、その正体を知ることは容易ではありません。次世代型シークエンサーを導入することで、少なくとも系統遺伝学的な種構成を知ることができるようになりましたし、条件を振って(あるいは条件を振らなくても)微生物相がどのように変化するか、正確に知ることができるのではないかと期待しています。
 
正直、下水処理場の微生物世界は全貌を捉えることさえ容易ではありません。そういうところで、多くの人々は直接的に有用な微生物のことばかりを知りたがります。例えていえば、森の中に建材として役に立つ樹種ばかりを調べて、林業を振興しようというような発想です。そういう研究も一方で大事なことはもちろんですが、もりそのものの成り立ちを知るには、森の中に存在する生物全体のことを捉える必要があります。そのなかで、人々に有用な樹種がどのように育っているのか正確に知ることができれば、森林管理が向かうべき正しい方向が、本当に明らかになるのではないかと思います。
 
16SrRNAを対象とする次世代シークエンシング解析は、下水処理の世界の微生物の森を見るための、格好のツールであると考えています。もちろん、下水処理に限らず、水環境あるいは土壌中、人体等、様々な環境の微生物世界についても、これから多くのことが明らかにされると期待しています。
(佐藤弘泰)

OTUMAMiを用いた16SrRNAシークエンスデータ解析

OTUMAMi (Operational Taxonomic Unit Management and Mining) は16SrRNAシークエンスデータの解析結果を簡単にいじるために開発した、データ管理・データ解析ツールです。QIIMEとよばれるソフトウェアであらかじめ解析したデータを、さらにさまざまな角度から解析することができます。OTUMAMiは現在Ver3.2です。統計解析ソフトのRとくみあわせて、棒グラフや信頼区間の表示ができます。
 

ダウンロード

A) ファイルメーカーProV10または11をご利用の方:こちら(旧バージョンV2.5になります。)
B) ファイルメーカーProV12以降をご利用の方:こちら(OTUMAMi V3.31)
 
なお、 A)をダウンロードした場合でも、ファイルメーカーProV12(あるいはそれ以上)で開けば普通に動作します。ただし、ファイル形式が変換され、新しいファイルが作られます。そのファイルを所定の場所(つまりデータと同じフォルダー)に入れて、使って下さい。
 

OTUMAMiアップデート関連の情報

 
  • 2016.7.25: OTUMAMi V3.32。軽微なバグフィックスだけなので、バージョン番号は上げない方が良かったかも...。色設定を上手く保存できないバグを修正しました。
  • 2016.6.5: OTUMAMi V3.31。FileMaker Ver15に対応。T-RFLP/RFLPでドラフト解析を導入することで、大規模なライブラリでも迅速に解析可能。また、データを読み込むにあたり、元のシークエンスを読み込むのを省略することで読み込み時間を短縮。
  • 2016.4.1: OTUMAMi V3.3。複数のライブラリからのヒートマップデータを取りまとめ、OTUを再解析するツールとして、e-SAKeが仲間入り。また、これまでの不具合や、多少至らなかったところを中心に、目にははっきりと見えにくいながらも強化しました。しかし、マニュアルがまだできていない。マニュアルの更新は連休明けを目標とします。
  • 2015.5.30: OTUMAMi V3.23。メインテナンスアップデート。サンプルグループのカウンティングに深刻なバグを発見、修正。
  • 2015.5.5: OTUMAMi V3.22。メインテナンスアップデート。T-RFLP/RFLPの計算アルゴリズムを見直すとともにbug fix。また、存在しないサンプル名を用いた時に生じる不具合に対して対応。
  • 2015.3.9: OTUMAMi V3.2。otumamibarに輪郭線を描画する機能、および、色設定を保存する機能を装備。また、virtual RFLPを実装し、virtual T-RFLP/RFLPの実行画面を改善。QIIME1.9.0についても動作確認済み。(どうやらmacqiimeをダウンロードするだけではダメで、qiime_configを少し手直ししなければならないようです。といっても、下の一行を加えるだけですが...。
  • pynast_template_alignment_fp(タブ区切り)/macqiime/greengenes/core_set_aligned.fasta.imputed
  • 2015.1.26: OTUMAMi V3.14。キメラチェックを実行できなかったバグを解消。また、otumamibar2bで、棒グラフに水平線が生じる問題を解消。なお、まだQIIME1.9.0については動作確認していません。
  • 2014.8.14: OTUMAMi V3.13。OTOUSIの最初の作業ページのバグの解消、OTUMAMiのsuperheatmapの自動展開機能追加、使用感の向上、棒グラフの色指定の自動化機能の追加、など。
  • 2014.6.17: OTUMAMi V3.12。ほとんど変更はありませんが、試料リストを入力しBasic Heatmapページにいくところが少しだけ速くなりました。また、Rで作成する棒グラフの作例を関連するページに加えました。
  • 2014.4.12: OTUMAMi V3.11をリリース。OTU等を選択するとき、平均値だけではなく最大値でも選ぶことができるようにしました。
  • 2014.1.14: OTUMAMi V3.1をリリース。QIIME 1.8.0に対応。また、fastqファイル(Illumina)の処理および、open reference OTU pickingをサポートしました。QIIMEで手作業で処理した場合でも、ファイルをインポートできるようなワークフローも設けました。V2.5からV3.0にした時よりも、かなり書き換えました。
  • 2013.8.6: OTUMAMi V3.0をリリース。今回からはFileMaker V12以上のみの対応です。また、新しい機能を利用するためには、統計解析パッケージRが必要です。また、QIIME 1.7.0に対応しています。
  • 2013.2.8: OTUMAMiReferencesのautoselect機能にバグがありました。修正版をアップロードしました。
  • 2012.12.28: Ver2.51をリリース。いくつかの機能を大幅に改善していますが、使い勝手はかわりません。
  • 2012.12.3:Ver2.5をリリース。以前は2.1と表示していましたので、バージョン番号の付け方はいい加減です。
  • phylum、classなど、各段階で同じヒートマップのレイアウトを共用するようにしました。一枚のヒートマップを編集するだけで、様々な分類レベルでの比較が可能です。
  • 今回は英文のマニュアルを添付しています。
  • 2012.11.8  ReferencesやLocalReferencesデータベースとのやり取りにバグが残っていたのをなおしました。
  • 2012.10.4  バージョンは代わりませんが、FMP12ですぐに動作するバージョンを用意しました。
  • 2012.9.24 Ver2.03です。P4.3で、OTU名やannotationのリストを作成する機能を追加しました。(直しました。)
  • 2012.9.13 Ver2.02です。マニュアルに英文訳をつけました。また、他いくつかバグを直しました。 

OTUMAMiの主な機能

  • OTUMAMiPrep
    • 高速シークエンスデータのリードの読み込み加工(逆相補化、不要な部分の除去、試料群に対応するデータのワンクリックでの抽出)
  • OTUMAMi
    • リードカウントではなくリードの割合に基づいてのヒートマップの作成
    • 主要なOTUの検索とそのヒートマップの表示
    1
    • 2次元的ヒートマップの作成、あるいは画像上へのヒートマップの重ね合わせ(各OTUのヒートマップを2段、3段にしたりできる)
    4
    • 部分樹形図の作成にあたり、比較用シークエンス(OTUMAMiReferencesやOTUMAMiLocalReferencesからのデータ)を含めることができる。(黒色や青色のの行は比較用のデータ)
    5
    • 主要なphylumのみclassレベルあるいはorderレベルで展開するなど、expandable/collapsableなヒートマップ
Expandable_heatmap
    • Virtual T-RFLP(図6)
    6
    • データのExcelやRへの吐き出し。
    • Rを用いての出力の例。上:分類レベルごとの組成情報も一度に把握できる棒グラフ。下:リード数が少ない時に有効なエラーバー付きの出力。
    • 7
    • confint
  • RSAKe
    • 比較用に使うシークエンスデータのデータベース。DDBJやRDP等からダウンロードしたGenBank形式のデータを読み込み保存。
    • 例えばGammaproteobacteriaの各familyから一つずつシークエンスを選ぶ、というようなことが可能。
    • 16SrRNAの特定の領域を切り出すことができる。
  • OSAKe
    • OTUMAMiで見つかった、面白そうなOTUのデータを保管。要は、主要なOTUのデータベース。
    • だんだん数が増えてきたら、similarityに応じてまとめてしまうことができる。 
  • e-SAKe
    • 複数のライブラリからヒートマップデータを集め、比較するツール。その際、OTUを再計算する。下の例では、3つのライブラリをそれぞれgg13.8をreferenceとしてopen OTU pickingで解析した結果をe-SAKeに取り込んで、さらに、97%相同性でOTUを再構築したところ。OTUの切り方によって、別々のOTUとみなされたり、同じOTUとみなされたりする。また、このOTUは実処理場、実験室、ともに見つかった。
    • e-SAKe
  • 高度な統計解析はできません。あくまでデータを管理したり、直観的にデータを眺めるためのツールです。でも、それが一番大事なはずですよね。

紹介記事

MacQIIME (Jeffrey Werner)のインストール (H.28.3.12 改訂)

MacQIIME(Jeffrey Werner)はQIIME(コロラド大、Knight Lab)のMac対応版。Macを用いている限りは、これをインストールするのが楽。バージョンは1.9.1が最新。

なお、ダウンロードしたMacQIIMEに付随するReadMe.txtのような書類にインストールの方法が記載されています。

* Unzip the downloaded file

 ダブルクリックして解凍するだけ。

* Open a terminal, and cd to the MacQIIME_xxx directory containing the install.s script and 

  the macqiime/ subdirectory.

 ターミナルというソフトを立ち上げる。OSXの走っているMacであれば、必ずターミナルがインストールされているはず。立ち上げたら、cdというコマンドを用いて解凍して生成したフォルダーに移動する。

 例えば、解凍してできたフォルダーが"MacQIIME_1.9.1-20150604_OS10.7"であり、それが自分のフォルダーの中にあれば、

cd ~/MacQIIME_1.9.1-20150604_OS10.7

 なお、~は自分のホームフォルダーの意味。

 また、"cd "までをキーボードで入力し、その後MacQIIMEのフォルダーをターミナルのウィンドウにdrag & dropしても良い。

 OSX 10.11 (El Capitan)を使っている場合は、末尾のような手順が必要を踏む必要があります。OSX 10.10 (Yosemite)より前のOSの場合は、次のコマンドを入力するだけです。

./install.s  

インストールが終えたら、ターミナルにmacqiimeと入力するとQIIMEの環境が立ち上がります。QIIMEの454のチュートリアルのページを参照しつつ、使い方を確認すると良いと思います。また、文献引用についてはmacqiimeのページに詳しい解説が掲載されています。

OSX 10.11(El Capitan)にインストールする場合

macqiimeを起動するためのコマンドは従来/usr/binにインストールされていたのですが、OSX10.11になってからOSのセキュリティ強化のために/usr/binをユーザーが編集することはできなくなりました。macqiimeのインストーラーはそれには対応していません。対応策をネットで探すと、以下のページが見つかりました。

http://bionicprofessor.com/2015/12/03/installing-macqiime/

次の二つの作業を行います。

作業1. install.sをテキストエディタで開き、/usr/binを全て/usr/local/binに置き換える。(全置換すれば良い。)

作業2. ターミナル上で、以下のコマンドを入力し、コマンドへのパスのリストを確認する。ちょっとややこしいが、次のような手順になります。

echo $PATH

例えば、次のような結果が返される。

/opt/local/bin:/opt/local/sbin:/opt/local/bin:/opt/local/sbin:/usr/bin:/bin

そこで、次のコマンドを入力し、"/usr/local/bin"をコマンドへのパスリストに追加する。

 export PATH=”/usr/local/bin:$PATH”

もう一度echo $PATHを実行し、コマンドへのパスリストに/usr/loca/binが追加されたことを確認する。

なお、コマンドへのパスのリストは、自分のホームフォルダ(~)内の.bashrcという隠しファイルに記述されています。それをmiなどのテキストエディタで開いて直接編集することもできます。

 

ドキュメントアクション